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【浮腫み対策最重要説!】〜ボディ編〜
浮腫みを改善することの重要性に気がついてから、もう一度勉強をやり直そうと思い、過去の通信教育のテキストを引っ張り出し、勉強をやり直しました。
なぜなら、以前勤めていたサロンはフェイシャルのニーズが強く、ボディのお客様の比率が少なかったため、皮膚知識は熱心に勉強しましたが、生理解剖学はふんわりしか覚えていなかったからです。
また、痩せるメカニズムと浮腫みの関連性について、もっと深い知識がなければ、正しいカウンセリングが出来ないことを感じたからです。
過去に自分自身痩せた経験はあったものの、理論的・戦略的・計画的に痩せたわけではなかったので、正しい痩せ方がわからない。
私の場合、学生時代に激しく運動をしていたため、1日5食の筋肉質デブだったので、社会人になり、規則正しい生活になったこと、適度な精神的ストレスを受け、筋肉が落ちたことで痩せたようなもので、何が正しい痩せ方なのかわからなかったのです。
そこで私が勉強以外に日々の接客の中で実践したこと。
◎サイズダウン目的のお客様を徹底的に分析し、観察する。
前回から今回の予約までの過ごし方、食事の傾向や運動習慣、ホームケアを毎回丁寧にカウンセリングする。お客様からの質問に対して答えられなかったことはその日のうちに勉強し、次回までに必ず答えを準備する。
◎トリートメントの前後で、お客様の身体のどこが、どんなふうに変化したかを分析する。
◎お客様のトリートメント後の体感を繊細にヒアリングする。
セラピストとして当たり前のことばかりですが、いつの間にかルーティンになってしまい、効果に疑問を持たなくなってくる場合も多く、お客様も慣れてしまい「いつもので!」と、事前カウンセリングも希薄になりやすいのも現実。
“今日自分が提供した技術は本当に今日のお客様の体調やお悩みに沿うものだったのだろうか?” “今日の仕上がりは成功だったか?” と、常に不安と疑問をいだき続けながら、日々の接客を続けていました。
私が長年勤めていたサロンはリンパドレナージュを提供するサロン。
生理解剖学に忠実なメソッドで、細部に至るまで細かく考えられた真面目な技術、且つリラクゼーション効果も得られる私の大好きな技術です。
みなさんもリンパドレナージュという言葉は聞いたことがあると思いますが、本当の効果をご存知でしょうか?
よく「エステで本当に痩せますか?」という質問をされますが、結論から言えば「通うだけでは痩せません。」が正しい答えです。
週に1度、月に1〜2度通うだけで痩せられるのなら、この世の中に痩せたいと思う人はいなくなるはずです。でも「エステに行っても無駄」というわけではありません。
まず、リンパドレナージュの説明をしましょう。
“痩せる”ということは、体重を減らすことでも単に細くなることでもなく、
体脂肪を正常で健康な数値に戻すことです。
体脂肪を減少させるメカニズムは簡単で、 摂取エネルギーより消費エネルギーを増やし、脂肪を溜め込まないことです。
食事・運動・ホームケアをトータルで見直すことが必要になります。
では、リンパドレナージュの効果とは?
リンパ液は自力では流れることが出来ず、筋肉の収縮運動や血流の流れの助けを借りて流れるので、筋肉量が少なかったり、血行不良の場合は当然、流れが悪くなります。
リンパドレナージュは微小循環*を正常な状態に整え、身体の余分な水分や、老廃物の排出をサポートする技術。
*微小循環とは毛細血管など非常に小さい領域において、血液と細胞の間で栄養素や酸素、老廃物や二酸化炭素のやり取りが行われている循環で、毛細血管・毛細リンパ管・細胞と細胞の間の間質液のことです。
正しく行えば浮腫みが改善され、本来の自分のシルエットを取り戻すことが可能です。
そして継続することで、溜め込まないカラダづくりのサポートとなり、体質改善の効果が期待できます。併用して生活習慣を見直しながら、結果、ダイエット効果が得られるのです。
事実、私の指名のお客様で洋服のサイズが13号→7号になった方もいらっしゃいました…!
では、リンパドレナージュが失敗するとどうなるか…
施術後
・顔がむくむ
・履いてきた靴がなんとなくきつく感じる
・手足が重だるい
・倦怠感を感じる
・なぜか声がかすれたり鼻声になったり
・目が腫れぼったい
上記を1つでも感じたらそれは失敗したということです。
なので、施術の前後のお客様の状態を念入りに確認し、終わった後の体感を確認することがとても大切になります。
体重や体脂肪を理想の数値に戻しながら、理想のボディラインを作ることも大変重要です。
せっかくダイエットに成功したのに、皮膚がたるみシルエットにメリハリがなければ、ダイエットに成功したとは言えません。
そもそも、人の体はどのようなステップで理想のボディラインになれるのかを考えたことはありますか?
殆どの方が闇雲に“痩せたい”と願うばかりで、今の自分の体に必要なケアについて、深く悩まないように感じます。
理想のボディラインとは、単に細ければよいというものではありません。
体重や体脂肪は減ったけれど、なんか引き締まった印象が無いな…と感じたことはありませんか?
その原因は皮膚のたるみです。
美しくサイズダウンするためには脂肪にアプローチすると同時に皮膚のことも考えなければなりません。
ということは、今はどちらを優先にケアすればいいのかをきちんと見極めることも必要になります。
【ボディラインが変わっていくステップ】を簡単に説明すると、
①肥大化した脂肪細胞が小さくなる
(運動などで脂肪細胞内に溜め込まれていた中性脂肪が放出される)
⇒状態で例えると、パンパンに固かった太ももが柔らかくなる
②余分な老廃物(放出された中性脂肪)や過剰な水分が排出され中身が減る
⇒さらにブヨブヨに柔らかくなる
③中身が減っても表面を覆う皮膚面積は変わらないのでたるみが生じる
⇒シルエットがぼんやりする
④たるんだ皮膚を引き締める
⇒引き締まった美しいシルエットが手に入る
この繰り返しです。
今の自分は“中身を減らすべきか?表面を引き締めるべきか?”を見極めて過ごすことが大切になのです。
私はこのポイントを特に慎重に、カウンセリングと体の状態観察を通して施術とアドバイスを行ってきました。
今、必要なお手入れ内容は何かをしっかりと伝え、必要であればホームケアアイテムの見直しなどもご紹介しました。
引き締める方法もたくさんあります。
食事、運動、ホームケアなど、お客様が持続可能な方法を一緒に探すことが一番重要になります。
そして、どの方法であっても共通して必要なことは“浮腫み予防”です。
栄養バランスが極端に偏っては体内の老廃物は排出されませんし、ハードな運動を行ったとしても浮腫み対策を忘れてしまったら、疲労物質である乳酸が老廃物として体内に残ってしまい、浮腫みを引き起こします。
なので、どんな瞬間であっても浮腫みケアは必要不可欠です。
そして、努力の結果、欲しかったボディラインが手に入った後、維持するために最も重要なことも、浮腫みを放置しないことです。
食べ過ぎた翌日に突然太っているということはありませんよね?
理想のボディラインを手に入れることも日々の積み重ね、そしてボディラインが乱れることも日々の積み重ねなんです。
【浮腫み対策最重要説】の意味を理解していただけたら嬉しいです。
むくみケアラボ 校長
サン・ティトル ビューティーアカデミー校長
サン・ティトル株式会社代表取締役 Chief Beauty Officer ビューティースペシャリスト
一般社団法人日本エステティック協会 正会員
日本コンディショニング協会 コンディショニングインストラクター
猪越理恵のご紹介
トータル25年間エステ業界に携わっており、製品知識・独自のトリートメントメソッドのコーチングキャリアが17年以上ある、美容のスペシャリスト。美容スクールの校長を歴任し、カリキュラム作成から座学・実技双方の教鞭を自らとり、これまで講演・講義を含めて5,000人以上の人材育成に従事。
法人への教育プログラムの提供や美容新規事業のコンサルティング・実務指導、サロン開発支援、マーケティング支援なども積極的に行なっており、支援した法人・美容事業の業績向上はもとより、指導者・コンサルトとしての信頼も厚い。
テレビ東京系列「なないろ日和!」にて「美容番長」「スキンケアの達人」として出演中(不定期)。歯に衣着せぬ率直な美容アドバイスが視聴者や出演者の方々に好評。
むくみケアラボについて
むくみケアラボとは、人間がだれしももつ身体のメカニズムである「浮腫み・むくみ」について、美容指導歴17年の美容プロフェッショナル猪越とともに研究し、その予防や対策・ケアを美容生理的見地から学ぶメディアです。
これまでの猪越の知見を是非ご覧頂き、あしたの貴方のむくみケアと美容にお役立てください。